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*Dolce*

素敵サイト「キタユメ。」への愛を語るサイトです。他にもその日あった出来事や、趣味についてなど。

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大誉SS

やまほまや 嗚呼やまほまや やまほまや


バルヨナの大和×誉馴れ初め話です。
お読みになる方は続きからどうぞ
(続き物になる予定です)

 奈良大和は、返ってきた数学のテストを見て絶句した。

 赤い。赤いっていうか赤いっていうか、なんていうか赤い。

 しかもギリギリじゃなくて、ど真ん中ストレートで赤い。
 まあ、勉強してなかったから、当然と言えば当然かー、と悟りにも似た気持ちで大和は思った。悟ったっていいじゃない。寺の息子だもの。
「今回赤点取った奴、追試で70点取らなかったら三者面談だぞー。嫌ならがんばるようにー」
 
 そう言う担任を見て、大和は固まった。
 三者面談ってあれですか。親とか先生とかの板挟みになって色々言われるあれですか?時間と比例して神経と何か大事なものがすり減っていくあれですか!?
 自宅離れてせっかくの一人暮らし(寮だけど)始めたのに、今更あの父と会うのだけは勘弁してほしい。マジで。
 しかし、今から自学しても70点以上取る自信はない。

 そういう訳で。

「すんきー!すんきいるかー!?」
 放送部内でも珍しい優等生の名前を呼んで放送室のドアを開けた。
 英語は駄目だが他は得意らしいすんきのこと。頼めば必ずや引き受けてくれる筈だと意気揚々と乗り込んだものの、放送室の中には、たった一人しかいなかった。
 日に透けると金色に光る髪、端正な顔、肩にはウサギ。言わずもがなのバルヨナの生徒会長、会津誉である。
「なーんだ……会長かー……」
「なんだってなんですか。あんたみたいなきつねにそんなこと言われる筋合いはねえですよ」
「だからきつねじゃないってばー。会長、すんき知らない?すんき」
「うちさ帰ったんじゃねえですか?さっき校門出たの見ましたよ」
「マジですか。ええー、すんきいないんじゃなー。家まで行こうかな…………」
 ぶつぶつ呟いて踵を返す大和の肩を、誉が慌てた様子で掴んで止めた。
「すんきにな、何の用ですか?あの、まさか、その、あんたすんきと」
 誉は顔を赤くしたり青くしたりして、言葉をどもらせる。普段は人を小馬鹿にした態度を取る癖に、時々誉はこうなる。理由は大和にはわからない。
「いや、会長には関係ないって。駄目ならカロとかノマルにお願いするし……」
「なな何を頼むんですか!」
「数学の追試あるから、勉強教えてもらおうかと」

 数秒の沈黙があった。

「数学の、勉強」
「うん」
 誉は一瞬だけほっとした顔をしたが、次の瞬間にはいつもの調子に戻って口を曲げた。
「……そんくれえ、俺が教えてやりますよ」
「えっ!?いいの!?」
 天地がひっくり返ったかと思った。
 どうせ誉のことだから、自業自得ですとか言ってによによ笑うだけだと思って、最初からあてにしていなかった。まさに青天の霹靂という奴だ。
 ちょっと会長見直したかも、と大和が思ったのとほぼ同時に、鼻先に誉の人差し指が突きつけられた。
「そん代わし!追試合格したら、俺の言うこと一個きいてもらいますからね!」

 ひっくり返ったかと思った天地は、やっぱり元のままだった。
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