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*Dolce*

素敵サイト「キタユメ。」への愛を語るサイトです。他にもその日あった出来事や、趣味についてなど。

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頂き物

休止するとか言ったその次の日に更新ってどうなんだい私?


あっはっは、休止とか言いつつ多分生存確認の為に携帯からSSとか落書きとか更新すると思います(馬鹿)本家様感想は…………暇ができたらまとめてドバっと………やりたいなぁ。
沖の悪い子!沖の悪い子!オーブンで自分の頭を挟んでやりたいよ。私の自制心は画力と共にムッティのお腹の中に置き忘れたに違いない。

ええと、ちょっとオフ友で文字書き仲間の黒河樹ちゃんから素敵な誉→大和SSをもらったので載せます(本人の了承済み)
樹ちゃんありがとう!もういっそサイト開いちゃえよ!(無茶)

あ、あとがきはほぼ私信なので読み飛ばして下さって結構です





○折り鶴

 初めて見たとき、狐に似ていると思った。
 だから彼が嫌がろうと狐のほうが覚えやすいし分かりやすいだろうとそう思って、『狐』と呼んでいた。
 それ以後も呼び名を変えなかったのは面倒だっただけで、深い意味なんてなかっ
た。
 …………だけど今は、深い意味を持ってしまった。



 部室の床に散らばった元は書類の塊に、誉は顔を顰めた。
 丁寧に折られたものや、どう見ても小学生が折ったようにしか見えない折鶴を、誉は黙ったまま見つめる。
 肩の上で静かに寝息を立てているあかべ子が無性に腹立たしかった。


「山狐」
 おそらくこの状態を招いたのであろう人物の背中を睨みつける。
「んもー。会長ってばいっつも俺の事そう呼ぶんだからー」
 拗ねるよ、とそう言いながら元凶である大和がこちらを振り返る。
「うっつぁしーです。呼んだんだから早くこっちさ来てください」
 振り返った大和の顔も見ずに、疲れきった声を出す。わざとらしく書類の入ったファイルで手前にある机を叩けば大和は、文句を言いながら近づいてくる。
「何だよー、会長」
「暇してんなら、さっさとこれ片付けてください」
 大和が作ったのであろう書類の折鶴をファイルで指し示す。不恰好な折鶴達が並ぶ床を面倒くさそうに見下ろす誉とは裏腹に、大和は不満の声をあげる。
「えー、なんでー?いいじゃん、どうせこの書類要らないものだろ?」
「確かに要りませんが、誰もこんなことしろとは言ってねぇです」
 床に転がったままの折鶴を大事そうに拾い上げる大和をぼんやりと見つめながらも、誉は厳しい口調のまま告げる。
「カイチョー!そんな堅いこと言わんといてやー。鶴は1000羽折ると願いが叶うんやで?夢があっていいやんかー」
「せっかく皆でつくったのだから、もう少しぐらい残しておいて下さらぬか?」
 つこみとすんきが助け舟を出すと、大和は嬉しそうに笑う。
 ほら、みんなもこう言ってるしさ~と気の抜けた声をだす大和に、誉は面白くなさそうに唇を尖らせる。
「……そこまで言うなら仕方ねぇですね。でも、床におくのだけはやめてください。みっどもねぇですから」
 持っていた書類をしまうべき場所に戻すため、誉は大和に背を向ける。
 許可取ったぞー、と叫ぶ大和の声を遠くに聞きながら誉はゆっくりと目を閉じた。
 皆がそれに応じるようにして笑いあう声が、痛いくらい背中に突き刺さる。

「あ、そーだ。誉ー!誉も鶴折らない?」
 不意に名前で呼ばれ、誉は不自然なほど体を大きく震わせる。
 閉じていた瞳を大きく見開いて、動揺したのを悟られないようにわざとらしく溜息をついて大和を見遣る。
「何ですか、狐。そっだ大きな声ださんでも聞こえますよ」
 嫌そうな顔を向けて不快を全面に出して。
「えー?でも今、会長ってば考え事してたみたいだったしさー」
 のんきな響きに似合わない大和の鋭い指摘に、誉は震えそうになる体を必死で抑える。
「俺はどっかの狐とちがって馬鹿でねぇですからね。考えごとぐらいしますよ」
 わざと『狐』を強調して鼻で笑うと、大和の顔が引き攣った。
 ぷるぷると体を震わせる大和をちらりとみながら、誉は胸に走った痛みをやり過ごす。


――――――頼むから、期待させないで。


 不服そうな顔をして書類を何枚か手に取る大和から、誉は気づかれぬように視線をそらす。
 足元にある折鶴を拾い上げると大和たちのところまで向かう。大和を筆頭に鶴を熱心に折る部員に呆れる。
 放送部に所属しているくせに何故折り紙に没頭しているのだろうか、彼らは。しかも、書類を使っての折鶴作りに。
「あのっ、会長はんもいかがですか?」
 不意にカロムが声を掛けてきた。予想に反して綺麗な折り方をしているカロムの鶴を見ていた誉は、咄嗟に返事ができずと惑う。
「え?あ、いや、俺は……」
「会長、みんなでやるのも結構楽しいぜ?」
 ノマルが正方形に切った書類をひらひらさせながら笑いかけてくる。いつも冷静な彼にしては珍しく幼い表情を見せるノマルに、誉は戸惑ったように瞳を揺らす。
「そ、そっだこと言われましても。俺、あんまりこういうのは……」
 拾った折鶴を抱えながら動揺する誉にノマルが苦笑する。手の動きを止めて誉の両手の中にいる折鶴を救出しながら小声で囁く。
「……もしかして、会長折り紙とか苦手?」
「あ、あんまり好きじゃねぇだけです!」
 頬を紅潮させて叫ぶ誉にノマルは慌てたように誉に制止をかける。
 いつも誉でからかって遊ぶ大和にこの意味が伝わると面倒だ。

「えー?会長、鶴折れないのー?」
 楽しげな笑いとともに投げかけられた大和の言葉にノマルはがっくりと肩を落とす。
 なんでこういうときだけ察しがいいんだ、お前は。
「う、うっつぁしー!狐には関係ぇねぇですっ!!」
 パニックを起こしかけている誉と楽しそうな大和に、他の部員が疲れたようなそれでいて暖かい笑みを見せる。これから始まるであろういつもの喧騒を予想しながら……。




「本当に……、今日は最悪でしたね」
 自室で、あかべ子を相手に愚痴をこぼす誉の横には左右で羽根の大きさが違う折鶴が2、3羽置いてある。
 あの後、大和に異常なほどの不器用さをからかわれながらも誉は意地になって鶴を折った。
 最初に見たときに小学生が折ったのかと思ったつこみの鶴を馬鹿にできないと実感させられるほどに不恰好な鶴を大和に笑われて。
 悔しくて、仕返しに大和の鶴を馬鹿にしてやろうと思ったものの、大和の鶴は意外にも綺麗で。
「狐のくせして、変なとこで器用だなんて変わってます」
 自分で折った鶴を指で弾きながら誉は目を細める。

 ―――『誉ー!』

 不意に耳の奥で大和が叫ぶ。自分だけじゃない、誰にでも向けるあの笑顔で。

「……やま、と」
 息苦しさと、言葉にできない切なさを感じて誉は祈るようにしてその名を咄嗟に紡ぐ。
 きっと、彼には嫌な先輩としてしか自分は覚えられていないのだろう。
 『狐』と呼んで突っかかってくる同じ放送部である生徒会長、としてしか。
「……っ!」
 分かっている。そんなことは分かっているのに。……苦しくて、悲しくて。
 思い出した大和の声と忘れたくて仕方のない感情を消そうと、必死で頭を振る。

 ―――『鶴は1000羽折ると願いが叶うんやで?』

 つこみの台詞が消えない大和の顔と重なって思い出される。
 無邪気な彼の顔と同時に僅かな希望を感じて、誉はゆっくりと顔を上げた。

 本当だろうか?本当に、鶴を1000羽折れば願いは叶うのだろうか?
 誉は、横にある大和にからかわれながら折った鶴を見つめる。
 これを、後999羽折ったら大和は気づいてくれるだろうか。
 震える指を伸ばして、何度も折りなおしたせいでしわだらけの折鶴を手に取る。

 …………気付いて、くれるだろうか?
 君の名前を、『大和』と、決してそう呼ばない理由を。

「おめぇは、俺のごとなんて、何とも、思ってねぇんだろうけど」
 …………君が好きだからだと、そう気付いてくれるだろうか?    自分は好きだけど。けれど君はそうじゃないから。……だからこそ、呼べないのだと。



 不恰好な折鶴を、誉は祈るようにして胸の前で抱きしめた。




○黒河樹様によるあとがき(メールから転載)(本人の了承済)

>予想以上に誉が乙女になってしまった!しかもこれ大誉じゃなくて明らかに大和←誉だよ(汗)
>その上、誉とつこみがなんか折り紙折るの下手にしちゃったし、他の部員の話し方がよくわからないし……。
>そして何よりうまくまとまらねぇ!!(←いつものことだろ)
>やっぱり二次創作(?)は難しいよー(涙)
>こんな、誉が可哀相すぎる話を送りつけてごめんなさい。

○沖による感想(むしろ私信)

 可哀相な誉大好物だよ!ってかあの子普通に可哀相だろう!
 樹ちゃんGJ☆この文量を携帯で送ってきた君のガッツに乾杯☆
 しかも続きありとかマジですか。楽しみにしてますー。
 樹ちゃんの淡々とした文章がすごく憧れる。この大和が実は誉の気持ちに気付いてるとかだったら、超黒いですよね。ここからどう続くのか本当に楽しみ。
 あと、「途中で会津弁忘れちゃったー」ってどういうこと(笑)何年こっちに住んでるの君!
 私なんか普段から祖父母に会津弁リサーチしまくって不審がられてるぞっ!(自慢にならない)
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