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*Dolce*

素敵サイト「キタユメ。」への愛を語るサイトです。他にもその日あった出来事や、趣味についてなど。

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大誉ふぁいぶ

どうでもいいけど『大誉ふぁいぶ』って書くと戦隊物のようだ(笑)
私イエローとか微妙な辺りでいいよ!端っこでカレー食ってるお笑い要員でいいよ!






 とうとう追試の日が来た。
 追試を受ける教室に移動しながら、大和は覚えた公式をぶつぶつと呟いてみる。全部言えたので、小さくガッツポーズを取る。
 教科書の例題やまとめやらも一通り解いたし、ドンと来い!な気持ちでいると、廊下の角に誉が立っていた。
「あれ?何してんのー?」
「別に、たまたま通りかかっただけです」
 三年の教室や生徒会室から最も遠い所で、たまたまは無いだろう、と大和は思う。おそらく、多分、きっと、応援に来てくれたのだろう。
「まあ見てなって。絶対受かってみせるから」
 そう言って歩き出すと、誉が「あの、」と何かを言いかける。
「…………その、頑張っせよ」
 目が完全に泳いでいた。なんだか少し面白くなった大和は、ものは試しと思いついた事を言ってみる。
「かいちょ、俺がもし万が一満点取ったら、なんかお祝いして?」
「…………お祝い、ですか」
「あ、できれば手料理以外で」
「な、失礼なきつねですね!」
「あはは。じゃーね」
 軽く手を振って通り過ぎる。しばらく行った辺りで、気になって振り返ってみると、赤くなった誉の横顔が見えた。




「終わった………燃え尽きた…………」
 とりあえず書き込めるだけ書き込んで、答案は全て根性で埋めたが、当たっているかはわからない。ただ、いつものテストより、確実に手応えがあった。
 結果はすぐに出るという事で、教室で待機させられていた。運良く窓際の席だったので、暇つぶしに窓の外を見てみる。
 校舎近くのベンチに座っている、ものすごく馴染み深い人物を見かけて、大和は頬を緩ませた。
 ちょうど木陰になっているそのベンチに座ったまま、誉が寝ていた。
 あんな目立つ所に寝ていたら、この不良校ではすぐどうにかされそうなものだが、やはりそこは生徒会長という権力がある為か、どこか生徒達に遠巻きにされていた。
 ああ、なんかああいうのあったよな。こう、おっさんが杖ぐさってやって海がぱっかり割れる奴。なんて言ったっけ、とにかくあんな感じだ、と思いながら見ていると、寝ている誉に近づいていく人影があった。
 『保健室に行きたくなくなる先生』見瀬皆人だった。午後の日差しに、白衣が眩しい。
 うさんくさい保険医は、誉を揺り起こして、何か一言、二言、言葉をかけたらしかった。誉が困ったように笑う。ぽんぽんと戯れのように誉の頭が撫でられる。どこか照れたような怒ったような顔で、誉が皆人の手を振り払った。
 もやもやした気持ちが胸の中にたまっていく。
 そりゃ、入学して一年も経ってない自分よりも、皆人の方が付き合いは長いのだろうけど、なんとなく、面白くない。
 …………面白くない?
 大和は首を傾げた。
 おかしい。最近の自分はなんだかおかしい。だって、これじゃあ、まるで、

「奈良大和ー」
 採点の終わったらしい教師に名前を呼ばれ、大和は慌てて立ち上がった。

 そして、答案を受け取った。
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